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ゴージャスな正月

正月も2日目だが、なんらありがたみもない。

勤め人してる人には貴重な休暇で、帰郷したり飲み歩いたり家族や友人とお付き合いしたり、結構な時間なんだろうが、そういうものと縁遠い生活を送っているので、正月と言えど特に何もなく過ぎていく。
しかも、私はここ10年、1月1日にお正月のこない国や地域で野良犬生活を贈ることが多かったせいで、
「1月1日?はぁ、ようござんしたね」
という季節感がボケまくった状態になっているのだ。
去年の今頃はなにをしていたかなー、と考えるとネパールだったり、その前は日本だったり、その前はラオスだったり、ミャンマーだったりタイだったりと、記憶をたどっていくと何がナンだが、モーう、わからないわからない。正月が来ないだけならまだいいのだが、それらの国々では1月の気候も日本とは違うので、

涼しい過ごしやすい海辺の1月1日の記憶、だったり、
氷が張る寒い1月1日の思い出、だったり、
安宿で水浴びしていた1月1日だったり、

不明な過去の1月1日の記憶の混乱にますます拍車をかけるのである。

私は子供の頃から
「どうしてお正月を祝うの?タダの日付けの変更でしょう?」
などという質問をしては大人にたしなめられる子供だったので、もとから正月に重きを置いていないのであるが。

が、世間様はとにかく休暇中で、こちらも暇なので、初めて「1月1日が元日でない」経験をしたのは何処だったのか?というのを思い出してみた。

インドだ。

初めての海外旅行をしたのは、もうかれこれ15年前になる。それがインドで、アンマリ面白かったので3ヶ月のところが半年の長期旅行になってしまった。
年末前には帰るよ、と日本の家族や友人たちには言い残したまま、ナンだがインドで年を越してしまったのだ。

その年の暮れは東インドの街、カルカッタにいて、インド出国の準備をしていた。
もう、金も余り残っていなかったが、出国の飛行機が無期限ストライキのためなかなか飛ばず、時間はもてあましていた。どこかカルカッタの近場で余りお金をかけずに旅行できる場所でも、というわけでカルカッタのある西ベンガル州の南、オリッサ州の巡礼地プーリーまで夜行列車で向かったのが大晦日。カルカッタを夜8時ぐらいに出発した夜行列車は、遅れなければ翌日9時ぐらいに目的地へ到着する。値段の安い2等寝台車に寝てるうちについてしまうので、楽なものである。時間はいくらでも自由になるので、少々遅れよう(インド鉄道の延着は1日遅れなど半端じゃないが、私は是まで2時間遅れ、までしか経験したことがない。ラッキーなのか?)が、何日に出発しようが、あまり気にはかけていない。
そんなわけで、大晦日の晩はインド人乗客にまぎれて、込み合った2等寝台で寝てすごた。
翌朝起きると、乗客の数はかなり減り、とりあえずまともに据わって窓の外でも眺めよう、という状態になっていたので、車内で
「お茶ー!お茶ー!」
とけたたましい叫び声をあげるチャイ売りからお茶を買い、窓にはまった鉄格子越しに外を眺めると、沼沢地にやしの木、水牛と水浴びする人々、という鄙びたインドの光景が広がっている。一晩も汽車に乗ると、ずいぶん風土が変わるのがインド鉄道の旅の醍醐味。12月のカルカッタは夜、結構冷え込んだが、文化的にも風土的にも南インドとの境界に位置するオリッサ州は暖かくて、春のような気候だった。
車窓の景色を眺めつつ茶をすすれば、ふと

「ナーんだ、今日は元旦ではないか」

と気がついた。
インドの正月は別の機会にやってくる(もちろん、宗教とかで異なる)ので、車内では、そのことを話題にしている客は誰もいない。
私はそれまで、日本の正月を面倒だなぁ、と苦々しく思っていたので、
実に優雅な正月を迎えているなぁ、としみじみ思ったものだ。

それが、後々まで続く
「1月1日に元旦の来ない野良犬暮らし」
の始まりになろうとは、夢にも思わなかったけれど。

で、今年は日本にいて、PCを前にブログなんかに書き込みしているわけだ。
来年は何処にいて何をしているのだろうか?
人間、先のことは、やっぱよくわからない。

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