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夢でソフトに

昨年末に起きたある事件の引き金は「夢」だった、という。
マスコミの後日報道ではその他、家庭内のふかーい理由があるんじゃないか、とか、色々な推測がなされているようだが、私が気になったのは、やはり、夢、というキーワードだ。

何か、ここんとこ「夢」という言葉があちらこちらに、当社比300倍くらいの割で増えてんじゃないのか?という具合に感じられて、時折日本にいない生活をして、日本に帰国すると、私にはそれが妙に居心地悪かったのだ。

で、その気持ちを友人のホームページに書きなぐったことがあるのだが、ついに犯罪の動機にまで「夢」のキーワードが。

夢、って、そんなにいいものなのか。
以下、友人のページに掲載したものを再掲載してみる。

夢、の文字ついた建物だの何だのを見ることが多くなったような気がするが、気のせいだろうか?

いやいや、確実に増えている。

本日の新聞では、どこぞの山の中に「なんとか夢大橋」という吊橋ができた、という話がでていたし、
私の住んでいる場所にも「なんとか夢公園」だの「なんとか夢街道」という場所がある。
星飛馬の引くローラーみたいに地域商店街と経済をゴイゴイ、マッシュしていく大型量販店にも「夢」と強引に読ませる名前がついているし、テレビのタレントだって、インタビューされる一般市民だって
「夢をありがとう」
だのなんだか、挨拶みたいにいってるじゃないか。

そのまま地名を名前にしたっていいじゃんかよぅ、なんでいつもいつも夢にありがとうとか米搗きバッタなんだ

という風に思えるような言葉の使い方なのだが、きっと当人達は
「希望のあるような、素敵でちょっと変わった名前にしたいなぁ」
とか「夢のある俺様!ああーいいよねー!」とか、
つい夢だの光だのあまーくて不可のない単語を使ってしまうのだろう。

私は、こういうのを見ると、つい
「ばーかばか!なんの夢なんだよ橋とか建物とかに夢があるのかよこらぁ、
お前らはお金が儲かればそれでいいと思っているんだろう実はぁ、
本当は夢も希望の将来展望もポリシーも何もないんだったらそんなチ○ロみたいな甘い言葉で自分をたばかってるんじゃないわよぉーんとほほ」
と、気分がどんよりしてしまう。

季節の変わり目で眠りが浅いし、ちょっと精神不安定のようだ。

最近、私はよく夜中に目を覚ます。
うすーく眠りの表面に浮かび上がると、またそのまま眠りの中へ帰っていく。
これが一晩に3度ほど、ある。
結果的には寝てる、のだが、息継ぎなしで寝てるのとは違うので、起床後の気分は当然よくない。

だが、夢は見ない。
眠りの浅いときには夢を覚えているというが、私は夢そのものを余り見ない。少なくとも見たことを覚えてはいない。稀に見る夢はその時々に抱えている心の重い部分を繰り返すようなモノで、空を飛ぶ夢とか酒池肉林とか楽しい夢を見たことがない。

一度でいいから、覚めるのがいやなほど楽しい夢を見てみたいと思っている。

が、夢は楽しいのか、と考え始めると、どうもそうじゃあないのではないかなぁ。
私は少なくとも悪夢にうなされてものすごい叫び声をほぼ毎晩あげる人を2人、知っている。

一人は元ジャンキーのミュージシャンで、そのせいか知らないが、眠るとものすごい悲鳴のような寝言をおたけぶ。本人もそのことはよく知っていて、
「たこーちうくん、俺、ものすごい寝言言うらしいけど、意味ないから気にしないでね」
と、実際聞いてみるとあなた、それは寝言じゃありません、ひどいうわ言です、てなもんだった。
後にその人の恋人に尋ねたところ、雄叫び寝言は、ほぼ毎晩らしい。
本人は、いたって明るい性格なのだが、きっと夢に精神のゴミを捨てる
魂のデフラグ状態
なのかもしれない。でもなぁ、あんなひどいうわ言を毎晩・・・

もう一人は、とある寺に居候した時、僧坊の隣部屋に住んでいた絵描きの知人。
「たこちーうさん、私、ものすごい寝言言いますけど、驚かないでくださいね。叫び声もあげるらしいし。」
この人、枕元にノートを置いて見た夢を記録する、ということを絵の師匠の勧めで長いことしているという。
自分があげた叫び声で目が覚めることもよくあるらしい。
目を覚ますと、見た夢を克明にノートに記録する。
睡眠中の夢、ああ、巷にあふれている「夢」とはちがいますよー、は記憶や衝動や不安なんかの精神の働きをまとめ直して、捨てたり忘れたり合理化したりする無意識の働きのはずだから、
言語化、という有意識の現場に引きずりだして詳細をあたえてしまうと、それはきっと恐ろしい形を浮かび上がらせるはずである。

叫び声をあげるほどの恐怖にさらに形を与えて刻印する
魂、連続ジェットコースターローリング乗車ビデオで追体験付状態。

案の定、その晩、薄い僧坊の壁の向こう側からの
「ぅわああああああああああああああー!!!」
という叫び声で真夜中に起こされる。

翌日、本人に叫び声のことを聞くと、
ああ、そうですかぁ、叫んでましたか、私
という返事だった。

すべての夢は、じつはものすごく恐ろしいのかも、しれない。

そんなわけで、現実世界にお菓子のおまけシールみたいに張られた「夢」
という単語を見ているとなんだかあさーくムカついてきたりするが、それは実は、
夜は夜な夜な知らず知らずのうちに夢に脅かされているからかも
知れない。

今夜も、浅い眠りなのだろうか

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てなことを、昨年の段階で書いているのだが、ついに犯罪の衝動の説明にまで使われてしまうとは。
ケーキも悪くて暗い昨今なので、子供や何にやに夢を託すのは、人間として当然の感情なんだろうが、
それも行き過ぎると、なんだかねぇ。夢を託される若い者が少ない少子化の世界では、過剰になった託す側の思い込みが託される側をつぶしてしまうことだってあるのだ。

「夢」には、悪夢や妄想なんていう猛毒も含まれることも、忘れてはいけないねぇ。

あ、この記事は、件の事件になんら言及する意図を持って書かれたものではありませんから、それはご理解ください。
なんにしても、ああいう事件は凄惨で悲劇以外の何物でもありません。

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「ささやき」カテゴリの記事

コメント

ブログ開設おめでとうございます はーと。
先日、「パリから帰ったら力石と対戦しなければならない」夢をみました。

本文内のキーワードから勝手につく広告がオツですね^^

すずはま♪

投稿: urasimaru | 2007/01/22 12:00

すずーはまさま、早速の訪問、ありがとうございます。
でも、でもでもでも、まだまだ記事は少ないので、これからです。だりねこの記事を焼きなおして使うことも多いかもしれないので、物足りないかもしれませんが、一つヨロシクお願いします。

私も珍しく夢をみました。最近、気に病んでいる問題がそのまま具現化したような夢で、見る必要ないーっつーの。

投稿: たこちーう | 2007/01/22 22:32

>本文内のキーワードから勝手につく広告

な、なぜスワロフスキーが‥‥

投稿: だりさ | 2007/01/24 07:05

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