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音楽で、よけてみる

いろんなところで、兎角いろんな物を食べてきたと思うが、これはないとかなりさびしい、というものに

麺類

がある。

これまで主に旅してきたり、住んだりしたところは大抵、麺類が
美味いかまずいかは別にして、
手に入るところだったので、実際にさびしい思いをしたことはないが、
暇に任せて、もし、麺類のない場所に長期間すまなきゃないらない、どうしよう、
という状態を想像してみると、

ぃいいいいやいやいやーぁあああああああ、それはありえなないぃいいいいい絶対だめー!

と叫びたくなるほどだ。
アンマリ嫌過ぎて発作的に台所に立つと、小麦粉何ぞこねたりして、自家製緬を作る練習をしまったほどである。
もう、これでアフリカだろうが南極だろうが、粉さえあれば、なんだって、ふっふっふ。

でも、発作的に出来上がった緬はやっぱり、そういううなだれる様な味しかしないので、蕎麦屋などにいって
口直しをする。
いいよねぇ、うどんや蕎麦は。日本にいるヨロコビである。

蕎麦を啜りながら、ふと気が付いたことがあるのだが、

どうして、ちょっとお洒落目の凝った蕎麦屋ではいつもジャズが流れているのか?

駅の立ち食いや安いよ安いよ何で出来てるかわかないよ!というような安めの蕎麦・うどん屋では、
音楽なんて騒音と同じくらいになんでもありありだが、おしゃれ目の蕎麦屋はどういうわけだが、ジャズである。
しかも、スイングとかモダンとかスタンダードとか甘いボーカルとか、

ああー蕎麦屋でジャズなんてミスマッチぽいんだけれども、どこかおしゃれだよねぇ、君この後どうするのぉ、

犬がアンドロメダ星雲を見上げながら犬飯食ってる
みたいな表現が頭に浮かぶような状況が作り出されているわけである。
私の記憶では、バブル期の頃にこういう「ミスマッチがおしゃれ」の勘違い系の店が大量発生して、その後、定数生き残ったような気がしているんだけれども、どうなのかしら。

で、先日、ふとした弾みでとある町の公営賭博場(チャリンコのやつね)の入り口の横にある定食屋で、昼飯を食ったときのこと。この店でもジャズがかかっていた。
しかも、この店、パンクロック系歌手のレコードやらポスターやら、インディーズとかサイケデリックなポスターやらがべたべた張られているライブハウス系の内装で、

「おらーおらーおらー!バシバシいったらんかいぃ!こらあ!」

とか、あくまで想像なんだが、目を血走らせた煮〆たようなおっさんやオバ半が上客になりそうな立地とは、まったく合わない。実際、そういう客はこの店の向かい側にあるラーメン屋とか弁当屋に行ってしまうようで、ほとんど入ってこないようだ。で、どうしてこうなのか、店主に聞いてみた。

「いやー。私が好きなんっすよ、こういう音楽が」

って、でも今、店でかかっている音楽はパンクロックじゃなくてスタンダード・ジャズじゃないですか?
それはどうしてにゃの?

「あ、あんまり深い意味ないんすけど、ヤ○ザよけにいいってきいたことがありますよ」

ええっ、ヤ○ザよけ。

「そうそう、だから蕎麦屋でジャズかけテンのは、お洒落とかそういうのもあるんでしょうけど、実はそれ、ってきいたことがあるっすよ」

ここの店の店主は、妙齢の結構美人でしゃべり方がそれにマッチしていないのも、微妙に気にはなったのだが、
それよりなにより、

蕎麦屋のジャズはヤ○ザよけ
実はそれ

というのは、けっこう衝撃的だ。
てーか、ほんとうなのかよ、それ。
古くて恐縮だが、なんか、

猫は水を入れたペットボトルに近づかない

というのと同じくらいの説得力なんだが。
言われてみると、ジャズのかかっているような蕎麦屋で、そういう人を見かけた記憶がないのは、ない。
真相はミイラにされた古代エジプトの下級貴族の性癖と同じくらいに謎である。

「あー、すいマーせん、あナーた達はジャーズが嫌いーデぇすかぁージャーズがかかっている場所にーは、イキマせんかぁー?」
って、事務所に行ってアンケートとかとってみたいが、
おうおうおうおうコンクリートと心中!海の藻屑一直線!
とかになるのはちょっと嫌なので、誰か調べてくれないだろうかしら。

10数年前にインドのダージリンで出会った日本で稼ぎ帰りのネパール人に
「日本のヤ○ザは、こわかった」
という心温まる言葉をいきなり頂いてしまったことがあるが、

大丈夫、今も怖いままだがジャズさえ聴けば、大丈夫。

って、ホントにホントなのか、麺類のない世界のことを考えるの同じように、気になって気になって仕方がない。

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