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旅行者はかつ丼の夢をみるか

ブラジル、って日系人が多い(たって人口の1パーセント程度なんだけど、存在感は結構大きい)せいか、
日本食の材料は比較的簡単で、特に醤油はどこでも売ってあるようだ。
で、先日はトンカツが食べたくなって、材料買いに行ったら、
とんかつソースまで売ってたよ。

すごいなぁ、ブラジル。

で、調子こいてかつ丼なんぞ作ったんだけど、買い置きしてた米が、なんというか、
ばさばさの長粒米だった(中国菜にはあうんだよ!)ので、

ものすごく、合わなくて、大変悲しかったわけです。はい。

で、よく考えると、結構長い海外野良犬生活でかつ丼を自作したのは、これが初めて。
過去、こういうことをしてないか、「だりさアーカイブ」をあさってみたら、
日本にいたと時にかつ丼について書いていたので、最録してみた。
手抜きなんだが、すまん。

ついでに、ブラジルのことは、どういうわけだか、ダリサさんの頁で更新チウ。
君も牛三昧で。

先日、カツ丼を作成した。
カツ丼の素や調理済みカツなんて使わない。
飯を炊き、出汁をとり、タレをつくり、カツを上げ、葱を切り、卵で閉じる。
刻み海苔もかけてみる。
一から十まで、みな自家製である。
生まれて初めて作ったカツ丼だが、なかなかうまく出来た。
カツさえあげてしまえば、あとは比較的簡単だ。
今まで、どうして作らなかったのか、不思議なくらいあっけない。

そういえば、カツ丼作成はとても面倒なものだ、と思い込むようなことが、旅の空であったのだった。

南インドのゴア、に滞在していたとき、バイクでヨーロッパへ向かう日本人旅行者と同宿となった。
大陸横断用バイクはインド製ホンダの125cc。結構質素な装備だったが、テント、調理用道具一式、ソーラーバッテリーなど、なかなかの品揃え。話をしているうちに、久しぶりに日本食でも作りましょうか、と言う話になった。
ヨーロッパから団体観光客が押し寄せ、有名な蚤の市も観光化され、バックパッカーは毎夜レイブパーティー三昧、観光業で働いているのはみんなネパール系と、過去のヒッピー天国の面影を求めてくると、奈落のそこに突き落とされるような素敵な観光地差加減のゴアだが、当時は日本食屋はなかった。
私は現地食や西洋人の集まる場所にならどこにでもあるピザ屋の食事で十分満足だったが、ひとつだけ食べたいものがあった。

それがカツ丼だったのである。

「カツ丼ですかぁ、いいですねぇ!」

幸いなことに元ポルトガル植民地でキリスト教徒の多いゴアでは、豚肉や、牛肉までもが市場で比較的容易に手にはいる。
私はイギリス暮らしを切り上げ、直接インドにきていて、1年以上、日本食を食べてなかった。普段、あんまり日本食は気にならないが、どういうわけだがカツ丼は別なのである。
日本にいるときには、それこそ3ヶ月に一度くらいしか食べないのに。
話がまとまれば、後は段取りである。
インドで問題になる豚肉は、きのうマプサ(ゴアの町のひとつ)の市場で確認済み。卵は入手可、葱は、玉ねぎを使うことにした。たれに使う醤油はバイクの旅行者が携帯している。煮炊きは彼の煮炊き道具を使う。
では、さて買出しに、と言うところでハタ、と我に返った。

パン粉、はどうするんだ?

インドにもカツレツ(日本で言うコロッケに近い)は売っているが、パン粉を売っているのは見たことがない。ほかの揚げ物はヒヨコマメの粉を溶いて衣にしたテンプラで、カツとは程遠い。おそらく、パン粉は自家製なのだろう。

カツ丼製作には、これからパンを買ってパン粉作りからはじめなければ成らないのである。

パンがカリカリになるまで乾燥させなければ成らないし、そのパンをつぶして粉にしなければならない。強烈な日差しの季節だが、丸1日はかかるだろう。それは、めんどくさ過ぎる。
しかもインドのパンは、食パンだろうが菓子のように甘く、きっと甘いパン粉が出来てしまうに違いない。

2人で随分と考えたが、カツ丼は取りやめて、比較的簡単に出来る牛すき焼きにメニューを変更した。

インドで牛すき焼きを食べる、という
「インドで日式ビーフカレー」
にも並ぶアイデアにもしびれたのだが、その実、2人とも空腹だったのだ。1日も待てない。
案の定、すき焼きは簡単に実に出来上がった。
安宿の庭ですき焼きを作っていると、

「おれおれおれおれ、俺、死にそうな気がするんですぅううう!」

と、麻薬の過剰摂取で錯乱しながら外に転げだしてきた日本人の若者旅行者の介抱のほうがよほど大変だったくらいである。

その後、日本食屋のたくさんあるネパールのカトマンズにすむことになってしまい、カツ丼を自分で作ろうと言うもくろみを果たすことなく、現時に至っていたである。

ちなみに、ゴアから4ヵ月後にようやくカツ丼を食べることになるのだが、「シッキム・ヒマラヤカツ丼」という実におそろしいもので、
この件は機会を改めて、書きたい。

自家製のカツ丼を頬張りつつ思うのは、調理法はそれほど難しくないが、カツ丼作りのための材料集めは結構、面倒だと言うことだ。パン粉はいうに及ばず、小麦粉、鰹節や醤油、揚げ油、炊いた米、葱、凝った味にしようとすれば酒やみりん、結構な品数の材料が使われている。しかも、肝心の豚肉をカツ用に生肉しなければならない。醤油味の煮野菜である煮っ転がしなどに比べると、かなり手がかかる料理であるなぁ、というのが自作してみての観想である。

で、カツ丼、アジアの主要な観光地の日本食屋では親子丼やテンプラ、日本式カレーと並ぶ一般的メニューなのである。何も考えずに注文していたが、メニューとして確立させるには大変だったろうなぁ、とふと旅の空を思い出したのだった。

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コメント

お久しぶりです。
お元気そうで何より!!
初登場の私ですが、今年もよろしくお願いします。
カツ丼ですか~~~、料理したんですか~~~、ん~~~。
なんかいろんな味がしそうですね。。

投稿: ぷち | 2008/01/07 21:04

ぷち 様
って、あのぷち様ですか。
ここでは、はじめましてですねぇ。今年もよろしく、って、あなた、まぁブラジルまで飛ばされちゃてねーぇ。

たこちーうは全然元気でなく、こないだは、道でアルマジロが轢き殺されているの見て、こんな場所にいる自分が情けなくなりました。

かつ丼話には、つづきがあるので、ちょっと待っててね。

投稿: たこちーう | 2008/01/14 23:06

ええ、ええ。
あの、ぷちでございます。

私のために、わかりやすい日本語で、おもしろい話を、じっくりと教えてくださいませ。。
頭にタオル巻いて読んでます。

投稿: ぷち | 2008/01/21 00:45

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