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望郷、帰郷、ああモコト

って、帰国した。

空気が湿ってて、水の中みたいだ。

牛度、0。

本日は、忘れないうちにあれのことを書いておこう。
モコト。
あ、体の重いサイボーク女のことじゃないから、ってそれは素子、はいはい。

モコト(mocotó)、は豚足やら牛のアキレス腱やらを煮込んだ、ドロドロのスープで、
野菜は、トマト以外のものはたぶん入っていない。
大鍋の中で煮えているモコトは、分厚い赤い油の層の下で豚足の皮や骨、牛筋が泳いでる恐ろしい見た目で、
「あ、油の部分少なめで」
と、頼むことは出来るけど、殆んど意味をなさない。

スープ深皿いっぱいのモコト。
これにマンジョウカ芋のファリーニャ粉をかけ、かき混ぜると水あめみたいに
ネロネロ
になる。おそらく、成分は膠にごく近いのかも、と思うほどの粘着度だ。
コラーゲンとか、言うんだろうなぁ、日本人に食わせると。

しっかり下ごしらえしてあるせいか、スジ肉の臭みはまるでない。
ちょっときな臭い香りの香草を使っているはずだが、それが何なのか、わからない。
口に含むと、あまりの粘着度と油のせいで、上下唇が素敵にくっつく。

すごい食べごたえなので、夕飯に一皿のモコトとファリーニャだけで、翌日まで腹が減らない。
きっと殺人的なカロリーなんだろうなぁ、日本のダイエットばかり気にしてる娘たちに食わせて見たいなぁ、などとらちもないことを考える。そういう味だ。

コラーゲンたっぷりで、お肌に良いよ、とかいえば、きっと食べるだろう。

たぶん、がまんして3口ぐらいは。

私がほぼ毎日行く御近所のバールでは、毎火曜日だけの特別食。
この曜日は近所のアパレシーダ聖母教会でミサがある日で、バールの奥さんはよく教会へいくのだが、何か関係があるのか、聞きそびれてしまった。

バールでこれを食べるのは、くたびれたような茶色いおっさんたち。女子供が食べているのを見たことがない。
「精がつくよね、モコトは、へっへっへ」
って、おっさんども、ちょっと卑猥なんですけど。やっぱりこの料理はそんなものかなぁ、とおもって知人のブラジル女性に聞けば、
「あーんた、ブラジルの子供はモコトで育つのよ」
・・・こんなもんでって、まぁどうしましょうか。
「もー、子供の時にたくさん食べさせられたから、大人になってからは食べないわねぇ」
って、子供の時、そういうものばかり食べさせられてるから、大人になると見事な鏡餅体系
になるんじゃないのかね、って、ダイエットやら何やらで、栄養失調みたいに痩せてる日本
の若者よりは、いいかも、健康に問題なければなどと、思う。

おっさんたち、じゃぁ、これは母の味、というものかい。

で、このモコトだが、日本でもブラジル人のいる場所ではレトルトものなど、手に入るらしい。ネットで調べると、

なんか、豆とか野菜とかが、具、として入ってるんですわ。

見たことないんですけど、そういうお上品なブツを、私の周りでは。

・・・じゃぁ、自分があのサオパウロの片田舎で食べていたあれは、一体なんだったのでしょうか。

人生は、いつも私に不公平だ。

そういうわけで、あのネロネロの油スープとキンキンに冷えたビールを一緒に飲むと、
胃の中がこの世の終わりみたいになるのが分かって、なかなか面白いので、
機会があったら、またやってみたい。

不思議なことに、腹は壊さなかった。

さて次回のブラジル料理は、ピラニアの煮つけ(和風しょうゆ味)です。

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