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幻のシッキム・カツ丼(1)

みなさーん、みなさんはぁシッキムっていう場所をしってーいますかーぁ!?

って、ま、最近は入りやすくなったようだから、結構バックパッカーの皆さんは茶所ダージリンからちょっと足を伸ばして旅行するようで、世界の秘境、てぇほどの場所でもなく。

シッキムは、ブータンとネパールの間に挟まれたインドの1州で、もとはチベット系の王国だった所。

チベットフリークの人が
「やーん、ラサとかラダックとかブータンみたいな、チベット差加減が素敵かしら!」
って、そのノリで行くと間違いなく地の果てまで、ガッカリする場所だと思うわ。

なにせ、遠望できる五宝珠山を除けば、日本の九州の山岳地帯にそーっくりのひたすら湿っぽい場所で、しかも米どころ。別名は米の谷。住民もチベット系や東ネパールのモンゴロイド系ばかりで、日本の田舎町にいるのとあまり変わりなく、どういうわけだか、この10年の間に私は数回かよった。

入域には許可書が必要で、しかも2週間が限界(最近は許可書申請も延長も、州境でできたりと簡単に可)何が面白いのか、ちーっともわからないが、癖になる場所である。片田舎の州都、ガントクも最近では結構「街」のてーさいを整えてきて、「ビカッシュ・バイサッキョ(発展したよ!て意味のネパール語ね)」って、気取ったダージリンの人たちから馬鹿にされることがなくなってるようだが、まだネパールのカトマンズみたいに垢抜けた西洋料理屋や日本食屋は現れていない。

だが、私は10年ほど前にこの街で、カツ丼、を食べたことがあるのである。
でも、あれは本当にカツ丼だったのか、今考えると少し妖しい気持ちになってくるので、
ちょっと書き残しておく。

当時、シッキムは入域しにくい場所という印象が旅行者の間では抜けてなく、外国人安旅行者の姿はそれほど多くなかった。乾燥したチベット世界を夢見て入域してくる連中は、湿っぽくてはっきりしない照葉樹や竹の林に嫌気が差して、すぐ逃げ出してしまう。街もコンクリートの味気のないビルが平たい場所のない山の尾根の上に立ち並んでいる様子で、伝統とかなんとかの旅情など、まぁ、ありはしない。ネパールやインドの観光地とは違い、人がすれていないのが唯一のいいところ、とそんな感じだった。

ヨガや瞑想、神秘と伝統のインドを求める連中は、うーん、あえて来ないだろうなぁ、何もないところだしねぇ。

で、食事にしてもチベット風餃子やタンメンのトゥクパ、薄い味の焼き飯、すごい脂身の豚カレーライス・納豆と漬物つきとかベンガル定食とか扱う店がほとんどで、これもうだつが上がらない。ダージリンみたいな西洋料理もどきや茶屋は、当時、ここにはなかった。後に地元公用語のネパール語ができようになると、居候に近い身分で家庭料理を毎食するようになり、シッキムの料理が実に味わい深いことを知るまで、ここは食事に関しては暗黒地帯だったのである。

当時滞在していた安宿は食堂つきだったので、よくそこで食事をしていた。味は悪くないのだが、やはり飽きは来る。しかし外で食べても、あまり代わり映えはしないなぁ、と同宿のドイツ人に話すと、
「豚肉タンドリー焼きの店を見つけた」
と素敵な情報が。

豚肉はイスラム教徒はもちろん食べず、ヒンディー教徒も基本、食べない。私が知る限り、インドではヒマラヤ南東部からアッサム地方にかけてのモンゴロイド系や、ベンガルの少数民族、ゴアのキリスト教徒など、豚肉はごく一部の人たちが食べるのを見た(で、私、機会があるとよく食べていましたが、店だったりご馳走になったりと)程度である。

で、この人たちが料理する場合、豚肉はスパイス煮込み(いわゆる「カレー」といっていいかねぇ)にするのが一般的だが、なんとここではタンドリー焼きである。

実に、素敵すぎる。聞いたこともない。

そこでタンドリー焼豚を食べて以来、今に至るまでこういったものをインドで再食したことはないが、結論からいえば、ここの焼豚はなかなか素敵な味わいだった。

さて、店は安宿のならぶチベット通りの上のほうにあるとのことで、暇だし、歩いていってみることにした。

さ、ここからカツ丼の話なんだが、前ふりながいので、つかれてしまった。
続きは、また今度。

千夜一夜で豚肉料理かよ!

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コメント

こんにちは。
納豆と漬物つきって、その地方でも納豆を食べる習慣があるんですか?
そして幻のカツ丼とは…!?

投稿: urasimaru | 2010/10/10 09:39

urasimaruさま
かつ丼の話は、ちょっと待ってねぇ。
おセンチなお話が魂の井戸から出てきてしまったので、つい。
納豆と漬物の話は、これも覚えていたら、別のエントリーで書いてみましょうかねぇ。

投稿: たこちーう | 2010/10/19 01:07

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