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幻のシッキムかつ丼2

せーんじつは、某有名牛丼屋(アメリカ肉にこだわるところ)で、韓国風雑炊風牛丼を食べた。
私はここの丼物ものがあんまり好きでないんだが、あなた、韓国・朝鮮料理屋で700円くらいする料理がワンコイン以下、の値段ですものねぇ。

これは食べなきゃ。

結論から言うと、かなり良くできた丼でおいしい。
クッパ、と名前が付いてるが、汁はすくない。でも元が牛丼屋の料理だから、仕方がない。
個人的には、キムチ以外にゴマと海苔、白ねぎのトッピングがあったら、かなり嬉しいが、まあ、いいや。

大盛りで満腹になり、口がキムチくさいのが何とも幸福だが、その実、さらに軽くうどんとか食べてやろうか、と考えている自分がいる。

そう、私がハンバーガー屋とかこの手の店で食事をしないのは、この、胃袋は満杯にもかかわらず常に残る、なんだかかわからない空腹感のせいだ。
おそらくはー、こういった店の食事は完璧な品質管理のせいで、味や質感に、なんというか、おいしい味をあいまいに作るマージンみたいなものがないからなんだろうなぁ、と考えてみる。おいしさは、理由がよくわからないから、秘密においしいよね。

でだ、「シッキムかつ丼」はマージンありまくりで、正直言ってあれをかつ丼、と呼んでいいのか、10数年たったいまでも判断に苦しむところだ。

タンドリー焼き豚屋は、安宿のあるチベット通りの坂道をさらに上ると、あった。
普通の商店を食堂に改造しました、というノリで、店先に置いてある焼き豚の串がなければ、その辺のたばこ屋兼チャイ屋やチベット系軽食屋とかわらない。
店主は、シッキム・チベット系の大柄な、ちょっと美女(寅さんの妹の実の妹女優に似ている)で、けだるい感じで、店の経営をまじめにやっているように見えない。たぶん、副業だろうなぁ、店は。料理人はこのあたりから東ネパールにたくさんいるリンブ―かタマン族のおっさんで、この辺のモンゴロイド系の人に多い、ちょっと腹の出た中肉中背で丸い眼鏡をかけた曖昧に笑う狸風だった。日本の田舎によくいるよねぇ、こういういい人系の人は、という感じだ。

何度か焼き豚を食べに通ううち、ちょっと話をするようになり、日本人であることもばれ、そのうち、料理人のおっさんがこう、私に言ったのだった。
「かつ丼つくれるよ、俺」
聞けば、ネパールのカトマンズの日本食屋で働いていたことがあるらしい。
ああ!カトマンズの日本食屋。
東南アジアの大きな町では、とき折見かけることもある日本食(特にタイ)だが、食事に対する禁忌がきついせいか南アジアではあまり日本食屋を見かけることはない。ネパールのカトマンズは登山者、旅行者天国なので、ちゃんとした味の日本食を出す日本食レストランが結構な数あり、当時としては例外的な場所だったのである。

しかも、私はその頃、イギリス暮らしからこの方1年以上、日本食を食べていなかった。

シッキム旅行のあとカトマンズへ行ったら、ああ!カトマンズの老舗日本食屋古都で
素敵に「かつ丼」をたべるぞ、と決めていたのである。
決めていたんです。
それまでは、日本食の存在を頭から消し去り、あげイモとかカレーとか、ひたすら現地食三昧な日々を送っていたのに。
こーんな僻地で、ああ!かつ丼だなんてかつ丼だなんて。

ちょっと迷ったが、食べてみることにした。
予約しないと、材料が手に入らないということで、翌日、食べに行くことにしたのだった。

あ、この話は1999年のことで、2006年にふたたびシッキムにいったら、この店は
キレーサッパリ!
なくなっていたからね旅行者のみなさん。

そんなわけで、まだ続く。

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